『やる気が上がる8つのスイッチ』によると、2つのマインドセットがあります。
「目標達成がうまくいきやすいマインドセット」と、「うまくいきにくいマインドセット」です。
マインドセットとは、考え方の癖や、思考傾向のことです。
この記事を読むと、困難にめげずに、目標を達成する自分になるには、どんなマインドセットを持ったらいいのかがわかります。
証明マインドセット
証明マインドセットを持つ人は、自分の能力の証明に焦点を当て、エネルギーを注いでいます。
● 自分は「すごい」と感じたい。
● すごい人のように見せたい。
● 人からすごい人だと言われたい。
このような願望が強く、目標達成の大きな動機になっています。
このように、自分の能力を相手に認めさせたい、と考えます。
また、自分と他人をいつも比べています。
そして、人に助けを求めることは、自分の弱さをさらけ出すことになると考えてしまい、あまり人に助けを求めない傾向があります。
何かがうまくいかないときは、そのことが「自分には向いていない。」と考えがちで、ミスをすることをいつも恐れています。
「自分にはできない。」「自分には無理だ。」ということが人にも自分にもわかってしまうことが怖くてしかたがありません。
ですから、いつも自分がうまくできるとわかっていることだけをやりたがります。
証明マインドセットを持つ人は、困難にぶつかったときに、以下のような反応をします。
(1)不安に押しつぶされてしまう
「自分には無理」「私にはできない」と考えて不安に陥ります。
そして、その不安感が状況をさらに悪くしてしまいます。
考える力を奪い、本来なら出来ることも出来なくしてしまいます。
自分が失敗するのではないか、と思っていると、実際に失敗してしまうことが、心理学で言われています。
そして、失敗したことが「思った通り失敗した。」と不安の裏づけになってしまい、さらに不安を増幅してしまうという悪循環を作り出します。
(2)諦めてしまう
「自分には無理だ。」「自分にはできない。」と思い、最初から挑戦するのをやめてしまいます。
自分には困難に対応する力がないと、思っているからです。
絶望と拒絶されたという感覚に襲われて、やる気をなくしてしまいます。
諦めた、というそのことがさらに自分の無力感にお墨つきを与えて、悪循環に陥ります。
証明マインドセットは、不安神経症や抑うつ状態に結びつきやすいことがわかっています。
また、仕事を楽しいと思い、そこに意義を見出すことも難しいです。
証明マインドセットを持つ人は、課題や目標にとらわれすぎていて、そこに至るまでの道筋やプロセスを楽しむ余裕がないのも特徴です。
また、「苦手意識」や「できないことリスト」がいつも頭のどこかにあります。
ですから、本当に意味のある挑戦を自ら避けてしまう傾向があります。
成長マインドセット
成長マインドセットを持つ人は、自分が向上することに焦点を当てています。
能力を高める、新しいことを学ぶ、そして、時間とともに向上していくことが重要だと思っています。
~証明マインドセットと成長マインドセットの違い~
・証明マインドセットを持つ人は、「すごい人と思われたい。」
・成長マインドセットを持つ人は、「すごい人になりたい。」
成長マインドセットの持ち主は、他人の目をあまり気にしません。
他人が自分をたとえ認めてくれなくても、やると思ったことをやります。
そして、比較対象は、他人というよりも自分自身です。
昨日、先月、そして昨年の自分に比べて今の自分は成長できているか、ということこそが大切なのです。
成長マインドセットを持つ人は、困難に直面した時も粘り強く頑張り続けるという特徴もあります。
時間をかけて成長していくということを大切にしているので、その道程で失敗は仕方がないし、困難だって当然あるだろうと考えているからです。
実際、多くの研究でこの成長マインドセットを持つ人は、難しいと感じれば感じるほど、さらに力を発揮できているということが明らかになっています。
私たちは、固定的にどちらかのマインドセットを持つわけではありません。
ただ言えるのは、明らかに「成長マインドセット」を持つことが有利に働くということです。
一方、何らかの理由で証明マインドセットに陥ったときには、うまくいかないことが多いというのもまた事実です。
どちらのマインドセットで人が動いているかは、モチベーションにおいてとても重要です。
成果をさらに上げるための重要な要素の1つになるからです。
しかも、それは固定的なものではなく、誰でも変えられるものです。
まとめ
~『証明マインドセット』と『成長マインドセット』の違い~
・証明マインドセットは、目標達成の動機が「承認欲求」。
・成長マインドセットは、目標達成の動機が「成長欲求」。
「人と比べてどうか?」ではなく、「過去の自分と比べて成長したか?」が大切。